ポリネシア人の祖先である
オーストロネシア語族は、南部中国から台湾に達し、
フィリピン、インドネシアから、ソロモン諸島を経て、
古代ポリネシアでは、広大な太平洋の島々に航海できる航法があったので、
サモア(トンガ)から
アオテアロア・タヒチ・ハワイ・イースター島等に殖民した人々と共に伝わりました。
ただ、文字を持たないポリネシア文化では、近世においてその様な優れた航海技術が殆ど伝承されず
18世紀の西洋人との出会いの頃は、ポリネシア文化同士の交通は、一部を除いて殆ど無かったと言われています。
しかし、クック船長がタヒチから同行させた通訳は、ハワイやアオテアロア等の他のポリネシア文化とのコミュニケーションには
困らなかったと言う記録が残っています。
文字を持たないポリネシア文化が、点在する島々で、神話や言語の同一性を損なわずに現在まで継続した事は、驚くべき事ですが、
各島の、正確に記憶しなければならない踊りや口述によって、記録伝承された結果なのでしょうね。
フラには、ハワイの伝統的な踊りを復活させた
古典フラ(カヒコ)
と、ハワイを観光地として成功させる為に創作された
現代フラ(アウアナ)の
2種類があります。
フラは、メレ・フラ(詩・音楽)の意味を手話で表現する事で、これが他のダンスのジャンルには無い特徴になっています。
カヒコには、厳しい決まりがありますが、アウアナは手話・ステップがフラに則っていれば、振り付けは自由
ですから、その時代に合わせ優秀な振り付け師(ハワイではクムと呼ばれています。)によって、現在も
次々と新しい振り付けが生まれ、発展しつづけています。
比較的ゆったりとした曲が多い為、同じ曲をどの様な年代でも楽しんで頂けますが、夫々の年代の良さを生かす為
ケイキ・ワヒネ・クプナ等年代別にレッスンを行う場合が多い様です。
[フラカヒコ]
元々ハワイ諸島の宗教儀式のメレ・フラで踊る伝統的なフラです。主にハワイの神話や伝統を描いた踊りで、力強くダイナミックですが、旋律を伴う音楽は無く、イプヘケやパフ等の打楽器とチャントで表現されます。
[フラアウアナ]
現代フラと呼ばれているもので、ギターやウクレレ等の伴奏でハワイアンソングに合わせて踊るフラです。
[楽器を用いたフラ]
フラで用いる楽器は、プイリ(竹の先端を裂いた楽器)・ウリウリ(マラカスの原理で音を発する楽器)・イプ&イプヘケ(ひょうたんを叩く楽器)等がありますが、
カヒコ及びアウアナどちらも楽器を用いたフラがあります。
Arioiと呼ばれるソシエテ諸島ライアテア島に存在した舞踏宗教集団の事が、「バウンティ号の反乱」に記述されています。これがタヒチアンダンスに関する歴史上の記述の最初です。
フラと同様にキリスト教の宣教師に弾圧され、タヒチアンダンスの復活は、フラよりも更に遅く、1950年代半ばに、Madeleine Moua女子により復興されたと言われています。
タヒチアンダンスのコンペで有名なHEIVAは、彼女の始めたタヒチアンダンスチームの名前です。
フラガールで有名なスパハワイアンズや、ハワイ等のホテルで観る事のできるポリネシアンショーには、タヒチアンダンスを構成の中に多く取り入れています。
腰の動きが激しく、ココナッツカップと呼ばれるブラを纏っている踊りがタヒチアンダンスです。
タヒチアンダンスにも、フラの様にムーディーな曲に合わせた踊りもありますが、激しく腰を振るオテアや、動きの速いアパリマ等が有名です。
[オテア O'tea]
トエレと言う木をくり抜いた楽器とタヒチアンドラムの早いリズムに合わせて、男性(Tane)が両膝を開閉するPa'oti、女性(Vahine)が腰を激しく振るTamureで踊ります。
詩はありませんが、神話や伝統等をテーマとして表現するものもあります。
[アパリマ Aparima]
フラ・アウアナと同様に詩の意味を手で表現する踊りです。古くは上半身のみで表現しておりましたが、今は全身を使って表現します。
楽器は、オテアで使う打楽器の他、タヒチアンバンジョーと呼ばれる8弦の弦楽器と、ウクレレやギター等が用いられます。
オテアの様に、激しいリズムを伴うものから、ゆったりとしたリズムの曲まで様々なバリエーションがあります。
[アフロア]
日本やハワイでアフロアと呼ばれているものは、踝まである衣装の事で、アパリマをアフロアを着て踊る踊りで、ゆったりとしてムーディーな曲が用いられます。
O'tea
Aparima